先月下旬のこと。ようやく待ちに待っていた一冊の本が手元に届いた。
『破天荒フェニックス』である。
インターネット上の書籍正面の画像では判断つかなかったし、いちいちその書籍のページ数などを細かく確認してから本を購入することなどなかったためわからなかったが…
約500ページ
開封して手にしたときのその“分厚さ”に驚かされた。
読み応えがありそうだ。読み終えるのにちょっと、時間がかかるぞ…
正直、いつ読み終えるか不安だったが、10月初旬に関東方面への出張予定があり、行きの飛行機搭乗中、帰りの新幹線乗車中に読み進めようと思っていた。
というわけで、10月4日の帰りの新幹線で『破天荒フェニックス』を読破したため、ここに同書について記しておきたいと思います。
正直『破天荒フェニックス』は多くの方に読んでいただきたいので、ネタバレしない程度にお伝えしたいと思います。
『破天荒フェニックス』はビジネス書なのか?物語なのか?
この答えですが、私はビジネス書であり物語でもある、そう断言したいです。
ビジネス書としても使えるし、ノンフィクションの物語実話をもとにした物語としても楽しめます(最初のほうから中盤まで読む側も正直しんどいです)。
追記:当初、ノンフィクションの物語と記しておりましたが、誤解を招くと感じたため、変更しました。それにしても描写がリアルで本当にノンフィクションなのではとも思えます。でもパラレルワールドなんだそうです。
発行所の幻冬舎はビジネス小説としていますね…
・倒産寸前の会社が直面している問題とは?
・会社を存続させるためにやるべきこと
・資金繰りのテクニック
のヒントが載っていて、まさしくビジネス書としての側面があると考えます。しかしその一方で、
・会社を立て直す社長と同志の覚悟、気迫、喜怒哀楽
・企業再生をめぐるありとあらゆる登場人物との心理戦、攻防
などがリアルに克明と記録されており、他人ごとではなく感情移入し自分ごととして読める物語という側面もあると思いました。
ただ読み進めている途中、多忙な一企業の社長がこんなに数年前からのできごとを一つひとつ、まるで昨日のできごとを話すかのように鮮明に細かく綴れるものなのだろうかと思っていたのですが…
なぜ克明な描写ができたのか、その答えは読み終えたところ、あとがきにありました。
”当時の記憶を紡ぎ、言葉を選び出す作業に昼夜を問わず協力してくれた制作委員”
の存在があったということです。
田中社長だけではなく、奥野CFOをはじめとするスタッフたちが記憶の糸をたぐりながら一つひとつ事実を整理し文章に残していったとのことです。
実際にその場にいなくても、活字だけでそのシーンを思い浮かべ、脳内でこんなにカンタンに再生できるものなのだろうかと思えるくらい細かく描かれていました。
『破天荒フェニックス』はオンデーズ愛にあふれている
読み進めていくなかで田中社長のオンデーズと社員に対する愛情をひしひしと感じ取りました。
社長就任後に出店してきたお店について一つひとつ、開店初日の様子などが細かく書かれているのです。
福岡在住の私にとってアミュエスト博多店の名前が出てきたときには、東京からだいぶ離れた山陽新幹線の終着駅にあるような店舗でも、大切に思われているのだなと感じました。
そして物語、オンデーズは続いていく…
そしてこの『破天荒フェニックス』はオンデーズという風前の灯火となっていた企業の再生物語だったのですが、オンデーズは見事立て直され、今も未来へと向かって着実に進んでいる会社なのです。
その物語は続いています。いえ、続いていきます。
『破天荒フェニックス』に綴られたのが10年間のストーリーでしたので、確実に今から10年後には『破天荒フェニックス2』というタイトルになるかどうかはわかりませんが、続編の発売が期待できます。
続編の発売日が決まり、書店に並ぶ日を、今から心待ちにしています!